野村雅夫 フィルム探偵捜査手帳

記憶が織りなすサスペンス ~あの日 あの時 愛の記憶~

河原尚子 「茶」が在る景色

旅の途中

小林哲朗 モトクラ!ディスカバリー

海辺の風力発電

ミホシ 空間と耽美

真夏の夜の花

インタビュー 本谷有希子 さん

(聞き手・進行 牧尾晴喜)

団、本谷有希子主宰として話題作の作・演出を手がけるとともに、小説家として人間の本質を描く、本谷有希子さん。演劇界と文学界の両方で注目を集める彼女に、今秋の公演『遭難、』と最近刊行された自身初の短編集を中心に、創作に対する姿勢についてうかがった。

-------劇団、本谷有希子の第16回公演として『遭難、』が東京、長野、大阪、北九州で上演されます。『遭難、』は2006年の公演の再演になりますが、再演を決められた経緯は?
本谷: なにか事情があったわけではなく、なんとなく、そろそろ『遭難、』かな、という勘のほうからです。前から何度か再演の話は浮上してたんですけど、「今じゃないな」っていう感じだったんです。でもパルコ劇場での『クレイジーハニー』(2011年8月)の後、「今かな」と思いました。その感覚に理屈をつけるとすれば、バランス感覚かな。ちょっと話に凝りすぎる傾向がでてきてたので、シンプルなほうに戻しておきたいな、と。『遭難、』ってシンプルで、誰がみても分かり易くて楽しめるストーリーなんです。うちの劇団のなかでもエンターテインメント色が強い話です。

------『遭難、』は放課後の職員室が舞台になっているシリアスコメディですが、いま偶然にも、いじめ事件など学校での問題が連日のように報道されるタイミングに重なっています。
本谷: 実は6年前の『遭難、』初演時も、いじめなど、一連の教室の問題がクローズアップされた時期と重なって、観るひとがその問題とつなげずにいられなかったんです。今回も奇しくもそうなってしまって、この戯曲にはなにかあるのかな、とおもってしまいます。自分としても、そこにどう向き合おうかと考えているところです。「シリアスコメディ」なんだけど、社会的なタイミングで「シリアス」や「リアル」の比重がすごく大きくなってしまったので、お客さんが観たときに笑えるかなあ、とそこも少し心配ですね。
 でも演劇ってライブなので、戯曲が持っているものや伝えたかったこと以上のものや、戯曲の別の側面を引き出すかもしれないですね。いいにしろ悪いにしろ、縁みたいなものかもしれない。

------キャストについて。今回も個性的な俳優陣ですが、どんなふうにキャスティングされましたか?
本谷: 黒沢さんは映画で拝見してとても惹かれて、名前を憶えていたんです。わたしが「見初めた」ってことですね(笑)。『遭難、』の主役で、「一見人格者と評判の先生だけどじつは……」っていう里見先生という役があるんですが、このひとの演じる里見先生が見てみたいな、と。あまり演劇には出たことがない方なので、いきなり主演でということで本人も戸惑っていらっしゃいました。
 この5人がいっしょに舞台上にいるところはうまく想像できないんですが、きっと、まとまった和音じゃない、不協和音が舞台上に出てアンバランスな感じでしょうね。

------ついついバランスを取るほうから考えてしまいそうですが、そうでもないんですね。
本谷: バランスが良すぎても、わたしは退屈してしまいます。なので、壊していくところから、というのもキャスティングで心がけています。今回もこの人たち五人が出るというときに、絵が思い浮かばない。でもそれがいいと思います。絵が思い浮かぶと、観た気になっちゃうから(笑)。

------近刊『嵐のピクニック』についてお聞きします。初めての短編集を書かれた経緯は?
本谷: 「中編を書いて演劇をやって、また中編を書いて演劇をやって、」というのが、ちょっとルーティン化しつつあったんです。同じ式だと同じ答えになってしまうので、ちょっと方程式を変えたいな、と(笑)。案の定、すごい発見がいろいろありました。
 たとえば、フィジカルに小説を書く、ということがはじめてわかった気がします。これまで、もうちょっと頭で考えて書いていたんですけれど、今回の短編集ではかなりの、考えている暇がないくらいのスピードを要したんです。最初はとてもしんどくて苦しかったんですけど、反復していくと何本目からか、考えるまえに言葉がでるという状況に入っていきました。変な言い方だけど、正しいな、という感じがしました。小説を書くにあたって、頭じゃないところから言葉が先にでて、それを追いかけて書いている、という感じで。数は大事だな、と思いました。1本、2本じゃなく、まとめた数を書きたいな、そうじゃないと意味がないな、と。

------優しいピアノ教師が見せた一瞬の狂気、カーテンの膨らみから広がる妄想など、バラエティに富んだ13本で構成されています。単行本化にあたって、全体のバランスなども考慮されましたか?
本谷: ボツは何本かありました。書いているときも「書くだけ書くから、あとでボツを出していこう」と。そのときは2本に1本くらいボツじゃないかと思っていたんですが、ふたを開けたら13本残っていて。3、4本ボツがあったのかな。このバランスのためにボツにしようというのはなかったんですが、どちらかというと順番を考えました。雑誌掲載時と単行本では、順番が違うんです。
 個人的な読み方ですけど、雑誌のときって、最初がとくに読まれる気がするんです。単行本だと、最初は読むでしょ、その次はなにか軽く読んで、最後のほうをしっかり読むな、と。雑誌か単行本かでどの辺をつまみ食いされるかが違うと思うので、今回の単行本では、後ろにいくほどムーブメントが大きくなるような並びにしています。雑誌掲載時は、最初のほうに勢いがあるものを掲載し、あとはクールダウン。そんなふうに変えさせてもらったんです。

------ちなみに、ボツ作の理由は?
本谷: 筆がたまに止まるので、アイドリングするのと同じように、何でもいいから文章を書いたりしたんです。出ないっていうので止まってしまうのを避けるために、最初から「捨て」と決めて書いているものです。そうやって書いた1本なんかは、流して書いているからひどくてボツ。
 あとは、リアルなほうに凝りすぎてうまくいかなかったり。今回の短編集に掲載するのはタイミングじゃないな、と見送りました。いま思えば、それが入っていたら、今回の短編集の統一感はなかったかな、という気がします。

------冒頭の『アウトサイド』で触れられているコンセプトが、13本全体をなんとなくつつんでいる感じがします。
本谷: 短編って不思議なもので、テーマとかを考えずに自由に書こうと思って書いたんですが、13本を通してみると、どこかつながっているんですよね。話の最後で「あらゆるものは自分の想像を越えているのかもしれないのだ。」っていう表現があるんですが、これがすっと出てきて、それを繰り返し13本で書いている気がします。この世には想像を越えているものがいっぱいあるんだ、自分たちは中側にいて、でも外側にはこういうものがあるんだ、っていう、無意識からでてきたテーマもあります。

------小説の執筆中、登場人物に感情移入して別人格のようになるようなことはありますか?もしそうだったら、今回の短編集などでは相当に大変そうですが(笑)。
本谷: 「執筆中に別人格」って、わたし自身が言ったことはないんですが、まわりから見てそう見えてたんでしょうね(笑)。最近はそれがちょっとわかるようになってきました。たとえばいま、男のひとの一人称の小説を書いているんですが、一回一回女に戻るのが面倒くさいから男の人と会わないようにしよう、だとか(笑)。

------短編集での苦労は?
本谷: 「短編」って簡単そうとおもって、簡単に引き受けたんです。でも、書けない時間が長かった。途中で、何書いてんだろうって思ってしまって。ファンタジーを書いたことがなかったんで、すごく不安に襲われましたね。後ろを振り返ろうと、つまり、今まで書いてきたものを読み直そうとしたけど思いとどまって。怖いなあって思いながら、とにかく前へ前へ、って前しか見なかったです。

------小説と演劇は、文章を書いて物語をつくるという点は共通していますが、一人だけの力で作品が完結する小説と、役者さんたちの力を引き出す力が要求される演劇では、ずいぶんと異なるような気がします。どうやってバランスを取っていますか?ご自身のなかで何か切り替えていますか?
本谷: 切り替わりますね。演出のときは、社会的な部分の、別人格を引っ張り出してくる感じです(笑)。役者さんと一緒に演技をつくるだけじゃなくて、音響、照明、舞台監督、宣伝といった、いろんなセクションとやりあったりするので、クリエイティブな部分はもちろん必要なんですが、必要なのは意外と社会性なんですよね。
 集団でひとつのビジョンに向かっていかないといけないので、それをどうやって共有していくかっていうところに時間をかけていきます。一人で小説を書いているときは、その共有するっていう時間がまったくいりません。わたしはほうっておくとどんどん独りになってしまうんですが(笑)、皆と無理やりにでも会っていると予想外のこともいろいろと起きるし、その裏切られ方が魅力ですね。もちろん、すぐには切り替えができないから、ひとつのジャンルに集中しているひとに比べると、ゆっくりしかできないですけどね。そのぶん丁寧にやっていこう、という気持ちです。

------子どものころから、文章を書くことが好きでしたか?
本谷: 文章を書くことも得意だったわけじゃないし、小説家や演出家になろうと思ったことも、一回もなかったです。まさか書くようになるとは。昔の自分が聞いたら驚きます。わたしは最初に一瞬で一目ぼれして恋に落ちる、という感じではなくて、やっていくうちに、続けている行為のなかから愛情が深まっていくタイプなんです。小説も演出も、どちらも自分に向いてるとは思わなかったけれど、続けていくなかで、どっちのジャンルも魅力的だなあと思うようになっていったんです。

------「建築家に憧れがある」と聞いたことがあります(笑)。
本谷: 言ったことありますね(笑)。自分がなりたいって言うよりは、建築家、数学者、ピアニストにすごく魅力を感じていて。自分がなれないんだったら、こういう職業の人と付き合いたいなっていう(笑)。どれも通じるところはありますよね。大きな美意識が似てる気がする。無限を考える、ゼロに近づいていく、といった意識の高いところにロマンを感じていて。わたしは数学が苦手だったので自分の能力では無理だったんですけれど、どういうセンスが欲しいって聞かれたら、その頃はたぶんそういう分野のセンスが欲しかったですね。

------公演で全国に行かれることがあると思いますが、関西で好きな場所は?
本谷:劇場のそばから離れられなかったりするので、もっぱら、夜のおいしい食べ物屋が楽しみだったりします。

------今後のビジョンを教えてください。
本谷: あれもこれもやってきたんで、今年は逆に少なくしぼることで、ひとつのことをもっと深く、もっと魅力を理解しながら、やっていこうというビジョンがあります。どのジャンルもすごく奥深い。それをちゃんとやろうとすると、体が足りないんですよね。あれもこれもとなると、どうしてもうわべをすくうみたいになっちゃうし。もちろん、そこに戻っていく時期もあると思いますけれど。
 もうひとつは、世界、海外を意識したいですね。小説はすごく日本国内に向き過ぎている気がするので、海を越えたひとも読むような小説を、自分としても意識したいです。



2012年7月23日 東京にて

劇団、本谷有希子 第16回公演 『遭難、』 (再演)

2006年の初演から6年。鶴屋南北戯曲賞を受賞した本谷有希子の代表作がついに再演!再演を熱望されていた本谷流シリアスコメディが、全く新しいキャストで蘇ります。責任転嫁と疑心暗鬼のスパイラルの果てに、「トラウマ語り」の欺瞞を鋭くえぐる、快感ブラックコメディ!

会場など公演情報はこちら
 
嵐のピクニック
(著)本谷有希子
講談社、2012年6月発売

可笑しいけれど、どこかブラック。ワクワクするほど、不思議でキュート。
リアリズム、ファンタジー、恋も、ホラーも、クラシカルからモダンまで――。
異才・モトヤがその想像力のすべてを詰め込んだ、13の“アウトサイド”な短篇集。
 
ぬるい毒
(著)本谷有希子
新潮社、2011年6月
 
幸せ最高ありがとうマジで!
(著)本谷有希子
講談社、2009年3月
 
生きてるだけで、愛。
(著)本谷有希子
新潮社(新潮文庫)、2009年2月
 
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
(著)本谷有希子
講談社、2005年7月
 
遭難、
(著)本谷有希子
講談社、2007年5月
 
(C)ayako shimobayashi

本谷 有希子(もとや ゆきこ)
1979年石川県生まれ。劇作家、小説家。劇団、本谷有希子主宰。
00年9月、劇団、本谷有希子を旗揚げ。主宰として作・演出を手掛ける。07年、『遭難、』で第10回鶴屋南北戯曲賞を最年少で受賞。09年には『幸せ最高ありがとうマジで!』で第53回岸田國士戯曲賞を受賞した。また、小説家としても活動し、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』、戯曲『遭難、』(講談社)などで三島賞候補、『生きてるだけで、愛。』(新潮社)、などで芥川賞候補にノミネート。映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』は07年にカンヌ国際映画祭批評家週間に正式出品された。
05年には1年間、ニッポン放送・オールナイトニッポンの金曜パーソナリティも務めた。
近著に『ぬるい毒』、『嵐のピクニック』などがある。

記憶が織りなすサスペンス ~あの日 あの時 愛の記憶~

あ、私だ。フィルム探偵たるもの、現場(=試写室)へ出向いてなんぼだなと痛感した。特殊ルートより入手したサンプルDVDを自宅にて鑑賞後、パンフレットを手にし、不覚にも肝要な情報を見落としていたことに気づいたのである。それはタイトル。冒頭、黒画面にそれぞれ数秒間、英語、ドイツ語、ポーランド語で表記されていたにも関わらず、そのあまりの小ささに、どうせプロダクションの名前でも書いてあるのだろうと、うっかりスルーしていたのだ。こんな失態は、劇場では起こり得ないこと。現場至上主義への回帰を誓ったものである。なんて反省を枕に、まずはストーリーを。
 1944年、ポーランド。対独抵抗運動に身を投じる男性トマシュと、ナチスに連行されてきたユダヤ人女性ハンナが、強制収容所で恋に落ちた。トマシュは所内の凄惨な現場を撮影したネガフィルムを、脱走して外部に持ち出すというミッションに、危険を冒してハンナを同行させる。文字通り必死の逃避行を経て、命は繋ぎ止めるものの、ふたりはそれぞれ相手が亡くなったと知らされ、別々の人生を歩んでいった。そして、1976年、ニューヨーク。ハンナは夫と娘と一緒に、何不自由ない暮らしを送っている。ある日、テレビから流れてきた聞き覚えのある、どころか、忘れようのない、死んだはずのトマシュの声を耳にした彼女は…。
 ドラマティックである。実話に基づいているという。放っておいても、メロドラマティックである。これは下手をすると、身体に毒なくらいにスイートで涙をこんこんとほとばしらせる仕上がりなのではあるまいか。私は反射的に身構えたのだが、そんな懸念は、ドイツの監督とニューヨークの脚本家女性コンビには無用だった。時制も感情も複雑なこの物語を、行きつ戻りつの並行モンタージュで鮮やかに展開。とても映画的だがその分手腕を問われる方法をあえて採用したうえで、その手際の良さを見せつけている。どうしたって断片的で、密度に濃淡のある記憶(思い出すという行為)と、因果関係を整理した合理的な語り(物語るという行為)を、どちらの魅力も損なわず両立させるという離れ業には脱帽だった。
 タイトルに話を戻そう。英語では「記憶」や「回想」を意味するRemembranceとシンプル。ドイツ語は少し長くて、プルーストよろしく「失われた時」という意味のDie Verlorene Zeit。そして、ポーランド語は、「探しているのに見当たらない時間」を意味するZagubiony czas。これらに邦題を含めた上で、内容を端的にズバリ言い当てているのは、ポーランド語のそれだろう。メロドラマというよりサスペンス的なタッチの本作。探せど見当たらずに諦めていた時間を埋めるための記憶の再生という枠組みには、上質の緊張感を生む抑制の利いた演出がよく似合う。

(c) 2011 MediaPark Film-und Fernsehproduktions GmbH

『あの日 あの時 愛の記憶』
2011年/111分/ドイツ/英語、ドイツ語、ポーランド語
銀座テアトルシネマほか 全国順次ロードショー中
関西では、8月11日からシネ・リーブル梅田、8月25日からシネ・リーブル神戸、秋 京都シネマにて公開

野村雅夫(のむら・まさお)
ラジオDJ。翻訳家
FM802でROCK KIDS 802(毎週月曜日21-24時)を担当。知的好奇心の輪を広げる企画集団「大阪ドーナッツクラブ」代表を務め、小説や映画字幕の翻訳も手がける。

旅の途中

日 自身の展覧会を京都の有斐斎弘道館にて開催した。
I am your YUZEN展。

その展覧会の中で 私は茶会を催した。

今年一月から「茶のある景色」という題材でコラムを書いてきて
初めての 亭主たる茶会だった。

茶とは1つのテーマでもって人をもてなす文化。
そのひとときは 亭主と客でつくられる 調和とズレの文化。

一瞬と永遠。同志と敵。
そんな両極端を ぐいっとひとつに合わせて
みんなで「場」をつくることの難しさ。

緊張感をつくり それをどう緩めるか。
指揮者のように。
静けさを保ち一椀目を点て 二椀目を点て終えたときに
静寂をうちやぶったのは 私ではなく正客だった。

それも 絶妙のタイミングで
場を取り込む様に すべての道具に声をかける。
ライブのメンバー紹介さながらだ。

ギターの音色が響き渡る。
ベース音。キーボード。
そして ドラム音がなった。

気付けば亭主と正客 そして連客は 同じ舞台にいた。

「時」が関係を変化させる。
人生は旅の途中。

暮れ行く太陽の色温度が すこしだけ変わった気がした。

河原尚子(かわはら・しょうこ)
陶磁器デザイナー/陶板画作家
京都にて窯元「真葛焼」に生まれる。
佐賀有田での修行を経て陶板画家として活動を開始。
2009年、Springshow Co.,Ltdを設立。同年、陶磁器ブランド「sione」を発表。

海辺の風力発電

昔前より普及した風力発電の設備は都市部ではあまり見かけないが、風の強い山間部や臨海部では良く見られるようになった。なかなか自然に溶け込まないデザインは落ち着いた景色とギャップがあって良い。小規模なものもあるが、やはり巨大なものの方が見ごたえがある。中でも連なるように並び、羽根を回す様は圧巻だ。実は写真内に一人釣り人がいるのだが、おわかりだろうか?その釣り人と比較対照すれば大きさがより分かるので、探してみて欲しい。

小林哲朗(こばやし・てつろう)
写真家
廃墟、工場、地下、巨大建造物など身近に潜む異空間を主に撮影。廃墟ディスカバリー 他3 冊の写真集を出版。

真夏の夜の花

、青、黄色等の火花が夜空に舞う。


規律良い障子組子と和紙を通し、色取り取りの花火が淡く放ち彼に夏の色をおとしていく。
暑さで露になった肌に花が咲き誇り、まるで刺青を施したようでそれはとても美しかった。

見惚れ小さくほうと溜息をつくと、夏の花は訝しげにこちらを見つめた。
花梗のごとく首をゆるりと傾けて。

ミホシ
イラストレーター
岡山県生まれ、京都市在住。イラストレーターとして京都を拠点に活動中。
抒情的なイラストを中心に、紙媒体・モバイルコンテンツなどのイラスト制作に携わる。

第1回

 講談師
 旭堂南陽

第2回

 フォトグラファー
 東野翠れん

第3回

 同時通訳者
 関谷英里子

第4回

 働き方研究家
 西村佳哲

第5回

 編集者
 藤本智士

第6回

 日常編集家
 アサダワタル

第7回

 建築家ユニット
 studio velocity

第8回

 劇作家/小説家
 本谷有希子

第9回

 アーティスト
 林ナツミ

第10回

 プロデューサー
 山納洋

第11回

 インテリアデザイナー
 玉井恵里子

第12回

 ライティングデザイナー
 家元あき

カバーインタビュー: 聞き手・進行 牧尾晴喜

連載1: 野村雅夫 フィルム探偵捜査手帳

連載2: 河原尚子 「茶」が在る景色

連載3: 小林哲朗 モトクラ!ディスカバリー

連載4: ミホシ 空間と耽美

第1回

 建築家
 藤本壮介

第2回

 書容設計家
 羽良多平吉

第3回

 漫画家
 羽海野チカ

第4回

 小説家
 有川浩

第5回

 作庭家
 小川勝章

第6回

 宇宙飛行士
 山崎直子

第7回

 都市計画家
 佐藤滋

第8回

 作家
 小林エリカ

第9回

 歌手
 クレモンティーヌ

第10回

 建築史家
 橋爪紳也

第11回

 女優
 藤谷文子

第12回

 ラッパー
 ガクエムシー

カバーインタビュー: 聞き手・進行 牧尾晴喜

連載1: 野村雅夫 フィルム探偵の捜査手帳

連載2: 澤村斉美 12の季節のための短歌

連載3: 小林哲朗 モトクラ!ディスカバリー

第1回

 イラストレーター
 中村佑介

第2回

 書家
 華雪

第3回

 華道家
 笹岡隆甫

第4回

 小説家
 森見登美彦

第5回

 光の切り絵作家
 酒井敦美

第6回

 漫画家
 石川雅之

第7回

 ギタリスト
 押尾コータロー

第8回

 プロダクトデザイナー
 喜多俊之

第9回

 芸妓/シンガー
 真箏/MAKOTO

第10回

 写真家
 梅佳代

第11回

 歌人
 黒瀬珂瀾

第12回

 演出家
 ウォーリー木下
   

カバーインタビュー: 聞き手・進行 牧尾晴喜

連載1: きむいっきょん(金益見) ラブ!なこの世で街歩き

連載2:  野村雅夫式「映画構造計画書」

連載3: 【連載小説】 ハウスソムリエ 寒竹泉美